
転倒・交通事故・家の中での事故など、私たちの生活の中には「事故が起きるポイント」が少なからず存在します。
生活の中で起こり得る事故において、特に注意していただきたいのが、高齢者の方(65歳前後以上の方)の事故です。
若い方と比べて、判断力や身体の機能が衰えている高齢者の方が事故に遭うと、ケガを負うリスクや死亡リスクが高まります。高齢者の方が事故に遭い、太ももの骨折などの大ケガを負った場合、全身の機能が大幅に低下して寝たきりになるケースも少なくありません。
今回は、ケガ・死亡リスクを低減するために「高齢者の方の事故で注意すべきポイント」をご説明します。
目次
①高齢者の方は自転車事故に注意を
◎自転車事故の4分の1(約24%)を高齢者の方が占めています
2025年の上半期の調査結果では、「自転車事故の4分の1(約24%)が65歳以上の高齢者の方の事故」であったことが、警察庁によって報告されています(※)。
(※)警察庁「自転車関連交通事故の状況」(2025)より引用。
◎自転車に乗るときは、出会い頭(すれ違い時)、右折・左折に特に注意を
高齢者の方を含め、自転車事故が起きやすいのは
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出会い頭(すれ違い時:異なる方向から来た歩行者・自転車・バイク・自動車との衝突など)
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右折・左折
という調査結果が報告されています(※)。
(※)警察庁「自転車関連交通事故の状況」(2025)より引用。
自転車に乗るときは、対面や左右の道から歩行者・自転車・バイク・自動車が来ていないか、常に確認しましょう。
出会い頭に加え、自転車で右折・左折するときは曲がる方向に歩行者・自転車・バイク・自動車が来ていないか、注意して確認してください。
②高齢者の方は屋外・家の中での転倒に注意を
2022年の厚生労働者の調査では、転倒・転落・墜落事故による死亡者のうち、高齢者の方の死亡者は10,809人。
転倒・転落・墜落事故による高齢者の方の死亡者数は、交通事故の死亡者数の約5倍にも上ります(※)。
(※)厚生労働省「令和4年 人口動態統計」(2022)より引用。
以下のような理由により、若い方と比べて、高齢者の方は転倒・転落(階段から転げ落ちるなど)事故を起こしやすいです。
[高齢者の方が転倒・転落を起こしやすい理由]
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加齢による身体機能の衰え(歩く機能の低下:ロコモ)
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病気や筋力不足による立ちくらみor薬の作用・副作用による立ちくらみ
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運動不足による運動機能の低下・筋力の低下
≪高齢者の方の転倒・転落事故を防ぐための、日頃のケア・対処方法≫
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1時間以内のウォーキングや腰を4分の1程度下ろすクォータースクワット、かかと上げ運動などを行い、足の筋力をできるだけ維持する
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飲んでいる薬の量が適切かどうか、かかりつけの医師に確認・相談する
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お風呂場や階段など、転倒・転落しやすい場所では慎重に行動する
③高齢者の方は太ももの骨折が原因で寝たきりになるケースも
高齢者の方の事故で特に注意したいのが、「太ももの骨折」です。
太ももの骨は、足の大部分を占める重要な骨。
事故に遭い、高齢者の方が太ももを骨折したケースでは、治療の予後が悪く、全身の筋力・身体機能が大幅に低下する現象が多く見られます。高齢者の方は、太ももの骨折が原因でそのまま寝たきり生活になってしまうことも少なくありません。
日本整形外科学会・日本骨折治療学会の調査では、65歳以上の高齢者の方が転倒・転落・交通事故などで太ももの骨を折った場合、
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手術後の感染症の発症
(若い方と比べて、高齢者の方は免疫機能の衰えが原因で感染症が起きやすい)
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手術後、全身の筋力・身体機能の大幅な低下による寝たきり状態への移行
などが原因で1年以内に死亡する確率が10~30%、という調査結果が報告されています(※)。
(※)日本整形外科学会・日本骨折治療学会
「大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン(改定第3版)」
(2021)より引用。
また、別の調査では、高齢者の方が太ももの骨を折った場合の5年後の生存率が63.5%だった、という調査結果も(※)。
実に、太ももの骨を折った高齢者の方の約4割が、5年以内に亡くなっているのです。
(※)金丸由美子・西村誠介ほか
「65歳以上の大腿骨近位部骨折手術症例の
生命予後および予後因子の検討」
(2010)より引用。
◎骨粗しょう症の方は骨折からの回復が困難になるケースも
高齢者の方が骨粗しょう症を患っている場合、骨密度の低下が原因で、転倒・転落・交通事故などの際に骨折しやすいです。
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身体機能・免疫機能が衰えている高齢者の方
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骨粗しょう症の方
上記の2つの因子が組み合わさると、以下のような“悪い相乗効果”が生じやすく、骨折からの回復が困難になることがあります。
[高齢者+骨粗しょう症の方が、骨折からの回復が困難になることがある理由]
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折れた骨がくっつきにくい(骨代謝機能の低下)
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折れた骨が壊死しやすい
(足の筋力不足・全身の健康悪化による血流の低下:骨折した箇所に、栄養素を含む血液が十分に届きにくい)
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手術後の感染症の発症による、骨折の治癒への悪影響(免疫機能の低下)
【日頃から適度な運動を行って足の筋力を維持し、事故に注意しながら生活しましょう】
高齢者の方が事故に遭わないようにするには、まずは、できるだけ足の筋力を維持することが大切です。
足の筋力を維持することで、足の筋肉が支えになり、転倒・転落などの事故に遭うリスクを低減できます。足の筋力の維持は全身の血流をうながす効果もあり、血流の促進によって健康状態の改善にもつながります。
太ももの骨折などの重篤なケガを避け、これからの人生を活き活きと過ごすためにも、定期的に適度な運動を行って足の筋力を維持しましょう。
定期的に運動をして足の筋力を維持すると共に、
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自転車事故
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転倒・転落事故
などの事故に遭わないよう、生活の場面では、高齢者の方は若い頃以上に事故に注意する必要があります。
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