
■事故から数日後の新たな痛み それは身体からのサインです
交通事故の直後は何ともなかったのに、数日経ってから頭痛や腰痛が出てきた。しかも最初とは違う場所が痛む——。
こうした不安を抱えて受診される方は少なくありません。本記事では、痛みが遅れて現れる仕組みと、再受診を検討すべき目安をお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 交通事故後、アドレナリンの作用や炎症反応の時間差により、数日後に痛みが現れることがあります
- しびれ・強まる頭痛・安静時の腰痛などがある場合は、早めに整形外科への受診が推奨されます
- レントゲンで異常がなくても、エコー検査で軟部組織の損傷を確認できる可能性があります
■交通事故の数日後に痛みが遅れて出る3つの原因

「事故の直後は平気だったのに、なぜ今ごろ?」
そう感じるのは自然なことです。
痛みが遅れて出る背景には、主に3つのメカニズムが関わっています。
◎アドレナリンが痛みを隠す 事故直後に気づけない理由
突発的な衝撃を受けると、身体は「緊急モード」に切り替わります。アドレナリンなどのストレスホルモンが大量に分泌され、痛覚を一時的に鈍くするため、本来感じるはずの痛みに気づきにくくなります。
数日かけて興奮状態が落ち着くにつれ、隠れていた痛みが徐々に表面化してくるのです。
◎炎症のピークは事故から数日後 頭痛や腰痛が現れるタイミング
むち打ち(頸椎捻挫)などの軟部組織の損傷では、炎症は受傷直後に一気に起こるわけではありません。
腫れや炎症反応は事故から数日後にピークを迎えることが多く、それに伴い頭痛・首の張り・腰痛といった症状が強まるケースがみられます。
「時間が経ったのに痛くなる」のは、この炎症の時間差によるものです。
◎かばい動作が招く二次的な痛み 別の場所に負担が広がる仕組み
最初に痛めた部位をかばいながら生活をしていると、無意識のうちに姿勢や動作が不自然になりがちです。首の痛みをかばって肩や背中に力が入り続けたり、腰をかばった結果、膝に負荷が集中したりする場合もあります。
こうした「かばい動作」の蓄積が、事故で直接ぶつけていない部位にまで新たな痛みを広げることがあります。
■「様子を見てよい痛み」と「すぐ受診すべき痛み」の判断基準
数日後に痛みが出てきたとき、再受診のタイミングに迷う方は多いものです。以下のポイントを参考に、ご自身の状態を確認してみてください。
◎早めの再受診をおすすめする症状チェックリスト
次のような症状がひとつでも当てはまるなら、早めに整形外科へ相談することをおすすめします。
- しびれを伴う痛み(手足がピリピリ・ジンジンする)
- 日ごとに強くなる頭痛や首の張り
- 安静にしていても続く腰痛
- 動かすたびに痛む範囲が広がっている
- めまいや吐き気を伴う
当院(瀬戸整形外科クリニック)では、レントゲンに加えて超音波診断装置(エコー)を用いた検査を実施し、筋肉・靭帯など軟部組織の状態まで詳しく確認しています。
「レントゲンでは異常なしと言われたけれど痛みが続く」という場合でも、エコー検査で原因を把握できる可能性があります。
◎「痛みが軽いから大丈夫」と自己判断せず早めの受診を
「我慢できる程度だから」と放っておくと、痛みが長引いて治療が複雑になってしまう可能性もあります。さらに、事故後の新たな症状は損害賠償や保険手続きにも影響するため、医師に早めにお伝えいただくことが大切です。
当院では、生活指導・薬物療法・ブロック注射・理学療法士によるリハビリテーションなどを組み合わせ、初期の段階で痛みへ対処することを心がけています。山口県で交通事故後の痛みにお悩みの方は、小さな違和感でもお気軽にご相談ください。
■よくある質問
Q. 事故から1週間以上経って痛みが出ても、事故との関連は認められますか?
A. 交通事故による痛みは、数日〜数週間後に現れることも珍しくありません。早めに整形外科を受診し、症状の経緯を医師にお伝えいただくことで、事故との関連を適切に判断してもらえます。
Q. 痛みが出ている場所を自分で温めたりマッサージしたりしてよいですか?
A. 炎症が強い時期に自己判断で温めたり強く揉んだりすると、かえって症状が長引く可能性があります。まずは整形外科で状態を確認し、適切なケア方法について指導を受けることをおすすめします。
Q. レントゲンで「異常なし」と言われましたが、まだ痛みが続いています。どうすればよいですか?
A. レントゲンでは筋肉や靭帯の損傷、骨の微細なひびを写し出しにくい場合があります。超音波検査(エコー)などの追加検査で原因が判明することもあるため、痛みが続くようであれば再度ご相談ください。
山口大学医学部 卒業
山口大学医学部付属病院 卒後臨床研修
2005年
山口労災病院
2006年
山口大学医学部付属病院整形外科学講座へ入局
2007年
山口県立総合医療センター レジデント
2009年
周東総合病院
2012年
山口大学医学部 臨床助教
2014年
山口県立総合医療センター 整形外科 部長
2017年
瀬戸病院 副院長
2020年
瀬戸整形外科クリニック 院長
2022年
山陽小野田医師会 理事
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本リハビリテーション学会 リハビリテーション専門医
日本手外科学会 手外科専門医
日本プライマリ・ケア学会 認定医・指導医
国際マッケンジー協会認定セラピスト
日本スポーツ協会 スポーツドクター
