「スプリント療法について」
こんにちは。今回ブログを担当します作業療法士の出口です。この度は、私が行っているスプリント療法についてのお話をさせていただきます。
●スプリントとは
手指や腕の骨折などの治癒過程において変形を予防するとともに患部を安静に保護するために用いられる装具の事をいいます。
●どんな素材で作るの?
「熱可逆性プラスチック」という素材を用います。様々な種類があり、
伸張性の違いや柔らかくしてから固まるまでの時間の違いで異なってきます。
素材の選定に関しては、対象部位や目的によって作業療法士が選択していきます。
その場で作製できるため、即日対応することが出来るのがメリットとなります。
●スプリント療法とは
【主な適応】
・手指の骨折 ・手関節の骨折(橈骨遠位端骨折) ・ギプス固定後の関節保護
・末梢神経障害 ・腱機能障害
【スプリント療法の効果】
・損傷した神経や腱の機能を補う
・変形の増悪や、それらによる痛みを抑える
・日常生活動作を行いやすくする
当院では、主に手関節・手指疾患の患者様に対して提供させていただいています。
装着期間は、症状などに合わせて除去する時期を決めていきますが、装着した状況においても日常生活を不便なく行えるよう、日常生活動作練習もリハビリの中で行っていきます。
●スプリント作製方法
作製の手順は以下の通りとなります。
評価:患部の症状、関節可動域の評価、対象部位の周径
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採型:素材の選定と患者様に適したサイズに設計
↓
作成:素材(熱可逆性プラスチック)を温めて患者様に適した形に成形
↓
調整:サイズ感などを確認しながら必要に応じて微修正
●まとめ
退院したものの、痛みが残り生活に不安を感じながら生活しているもおられるかと思います。無理にかばいながら生活をすることでかえって痛みを増悪させてしまったり、変形してしまうリスクがあります。スプリント装具を着用することでそういった二次的な症状を予防することができますので、少しでも興味を持った方はぜひご相談ください。