急な退院で不安な方へ。退院後歩けない親の在宅復帰とリハビリ準備|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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急な退院で不安な方へ。退院後歩けない親の在宅復帰とリハビリ準備

急な退院で不安な方へ。退院後歩けない親の在宅復帰とリハビリ準備

退院後も歩けない親を自宅に迎えるあなたへ


「来週退院です」と急に告げられ、伝い歩きもおぼつかない親をどう迎え入れればよいか、途方に暮れていませんか。仕事と介護の両立、古い家屋での再転倒への不安は当然のことでしょう。この記事では、在宅復帰までに整えたい住環境と、退院後に選べるリハビリの道筋をわかりやすく整理しました。


この記事の要点まとめ


  • 退院後に歩けない状態は廃用症候群によるものが多く、段階的なリハビリの継続が回復の鍵となる
  • 在宅復帰前に住宅改修・福祉用具レンタル・退院カンファレンスの3点を準備しておくと安心
  • 訪問リハビリと通所リハビリは本人の状態や家族の状況に合わせて使い分け・併用が可能

目次



なぜ退院後も歩けないのか?高齢者の骨折後に起こる「廃用症候群」とリハビリの重要性

なぜ退院後も歩けないのか?高齢者の骨折後に起こる「廃用症候群」とリハビリの重要性

骨自体が癒合しても、入院中の安静によって全身の機能が落ち込み、思うように歩けない状態が続くことは珍しくありません。この背景にあるのが「廃用症候群」と呼ばれる現象です1


骨折後の筋力低下と「廃用症候群」のメカニズム


廃用症候群とは、長期の安静や活動制限によって筋肉・関節・心肺機能などが総合的に衰えた状態を指します。高齢者の場合、1週間の寝たきりで下肢筋力が10〜15%程度低下するとも言われ、骨折治療で数週間の入院を経ると、歩行に必要な筋力やバランス能力が損なわれやすくなります1。加えて関節が固まる拘縮、立ち上がったときにふらつく起立性低血圧なども起こりやすく、退院時点で「伝い歩きがやっと」という状態はよく見られる姿です。まずはこれを「回復途上にある通過点」と捉え、焦らず段階的にリハビリを継続していく視点が大切になります2


病院のリハビリと退院後に自宅で行うリハビリの役割の違い


回復期病院で行うリハビリは、平行棒や訓練室で歩行能力そのものを引き上げることが中心となります。一方で、在宅リハビリの主な目的は「自宅の環境で安全に生活動作を行えるようにする」ことにあります2。トイレへの移動、布団からの立ち上がり、廊下のすり足など、暮らしの場面に沿った訓練が加わります。病院で歩けても、自宅の敷居や畳の縁でつまずくことは十分に起こり得ます。退院後は生活導線に密着したリハビリへと切り替え、日常動作(ADL)の維持向上を図ることが、再転倒予防と自立度向上の両面で大切なポイントとなります。


自宅に迎えるための準備:退院までに整えるべき3つの環境整備と介護サービス


歩行が不安定なまま自宅に戻る場合、退院日までにいくつかの環境整備を並行して進めておくと、生活の立ち上げがスムーズになります。ケアマネジャーとの早めの連携が要となります。


介護保険が適用できる住宅改修(手すり設置・段差解消)の手続き


介護保険の要介護・要支援認定を受けている方は、住宅改修費として上限20万円までの工事に対し、所得に応じて1〜3割の自己負担で改修が可能です。対象となるのは手すりの取り付け、段差の解消、滑り防止の床材変更、引き戸への交換など。古い日本家屋では玄関の上がり框、廊下から居室への段差、和式トイレなどが転倒リスクにつながりやすい部分です。工事は事前申請が必要となるため、退院日から逆算し、ケアマネジャーを通じて2〜3週間前には見積もり・申請に着手しておくと安心でしょう。


歩けない状態を支える福祉用具(介護ベッド・車椅子)のレンタル活用


介護ベッド、歩行器、車椅子、ポータブルトイレなどは、介護保険を使ってレンタルできます。要介護度により対象品目は異なりますが、月額数百円〜千数百円程度の自己負担で利用できるケースが多く、購入より初期負担を抑えられます。退院初日から使えるよう、搬入日は退院前日までに設定しておくのが理想です。用具の選定は本人の身長・握力・住環境に合わせる必要があるため、福祉用具専門相談員に自宅を見てもらったうえで機種を決めましょう。


退院前に必ず行いたい「退院時共同指導(退院カンファレンス)」の注意点


退院前には、病院の医師・看護師・リハビリスタッフ・ソーシャルワーカー、地域のケアマネジャー、そしてご家族が一堂に会する「退院時共同指導(退院カンファレンス)」を開くことができます。ここでは在宅で想定される生活動作、服薬管理、リハビリ計画、緊急時の連絡先などを共有します。ご家族側からは「日中独居になる時間帯の対応」「入浴の可否」「転倒時の対処」など、具体的な不安を積極的に質問しましょう。この場で不明点を残さないことが、退院初日からの混乱を防ぐ大切なポイントとなります1


訪問リハビリか通所リハビリ(デイケア)か?状況に合わせたリハビリの選び方と判断基準


在宅復帰後のリハビリには、大きく分けて「訪問リハビリ」と「通所リハビリ(デイケア)」があります。ご家族の勤務状況や本人の状態に応じて、両方を組み合わせて利用することも可能です2


自宅で受ける「訪問リハビリ」が向いている人とメリット


訪問リハビリは、理学療法士・作業療法士などが自宅を訪問し、実際の生活導線に沿って訓練を行うサービスです。移動が困難な方や、送迎をご家族が担いにくいご家庭に適しています。畳からの立ち上がりや、実際のトイレでの動作確認など、その家ならではの課題に直接アプローチできる点が大きな利点です。日中お仕事で不在になるご家族でも、事前にケアマネジャーと訪問時間を調整しておけば、本人だけで受けることができます。


送迎付きで通う「通所リハビリ(デイケア)」が向いている人とリハビリ頻度


デイケアは、施設に半日〜1日通い、専用の機器を使った訓練や入浴・食事の支援を受けられるサービスです。送迎付きが基本のため、車での送り迎えが難しいご家族にとって現実的な選択肢となります。他の利用者との交流により、閉じこもりや意欲低下を防ぐ効果も期待されます。頻度は要介護度やケアプランにより週1〜3回程度が一般的で、日中独居の解消にもつながります2


家族の介護負担を軽減する「安全な移乗・歩行介助」の基本テクニック


介助するご家族の腰痛を防ぐには、ボディメカニクスの基本を押さえておくと役立ちます。ポイントは「相手に近づく」「膝を曲げて腰を落とす」「引くより体重移動で動かす」の3点。歩行介助では患者さまの患側(弱い側)のやや後方に立ち、脇の下ではなく腰帯や骨盤を支えるのが基本の形となります。無理な力での引き上げは介助者・被介助者双方の負担を増やしやすいため、福祉用具(移乗ボード、介助ベルト等)の併用もぜひ検討しましょう。


山陽小野田市で在宅復帰を支える「瀬戸整形外科クリニック」でのリハビリ相談手順


退院後は地域のかかりつけ整形外科と連携することで、医療リハビリと介護保険リハビリを状況に応じて使い分けられます。


退院後の医療リハビリと介護保険リハビリのスムーズな移行


退院時には病院から「診療情報提供書(紹介状)」を受け取り、地域のクリニックへ引き継ぐのが一般的な流れです。医療保険で行う外来リハビリには算定期間の目安があり、その後は介護保険による訪問・通所リハビリへ移行していきます。移行にあたっては医師の指示書が必要となるため、かかりつけ医との連携が欠かせません2


瀬戸整形外科クリニックへの受診・相談ステップ


当院では、骨折後の在宅復帰やリハビリ計画に関するご相談を承っております。ご来院の際は、病院からの紹介状、これまでの画像・検査結果、お薬手帳をお持ちください。当クリニックでは超音波診断装置や骨密度測定装置(DEXA)などを備え、再転倒予防の観点から骨粗しょう症の評価にも対応しています。山陽小野田市・宇部市周辺で退院後の生活やリハビリにお悩みのご家族は、どうぞお気軽にご相談ください。受付時間は8:50〜12:20/14:20〜17:30(木曜午後・土曜午後・日曜祝日休診)です。


参考文献


1. Minds ガイドラインライブラリ(公益財団法人 日本医療機能評価機構)https://minds.jcqhc.or.jp/

2. 日本リハビリテーション医学会 https://www.jarm.or.jp/


よくある質問


Q1. 高齢者が退院後歩けなくなった場合、リハビリは必要ですか?

A. 骨折後の安静により筋力や関節機能が低下している状態が想定されるため、医師の判断のもとリハビリの継続が推奨されます2。放置すると廃用症候群が進行し、歩行や日常生活動作の再獲得がより難しくなる可能性があります。


Q2. 在宅復帰後のリハビリはどのように行いますか?

A. 介護保険を利用した訪問リハビリや通所リハビリ(デイケア)、外来通院でのリハビリを、本人の状態やご家族の生活状況に合わせて組み合わせます。ケアマネジャーがケアプランを作成し、多職種で連携しながら進めていきます。


Q3. 自宅に来てくれるリハビリとは?

A. 「訪問リハビリテーション」と呼ばれるサービスで、理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、生活動作に沿った訓練を行います。医師の指示書と介護保険のケアプランに基づいて利用します。


Q4. 歩けない場合のリハビリ期間はどれくらいですか?

A. お身体の状態や骨折部位、年齢、既往症により大きく異なるため、一概にお答えすることは難しい面があります。定期的な評価で経過を確認しながら計画を見直していくのが一般的です。詳しくは主治医にご相談ください。


Q5. 退院までに準備が間に合わないときはどうすればよいですか?

A. まずは病院の医療ソーシャルワーカーとケアマネジャーに現状を伝え、退院時共同指導の場で調整を依頼しましょう。短期入所(ショートステイ)や老健の一時利用など、在宅移行までの選択肢もあります。


瀬戸 信一朗

医師


瀬戸整形外科クリニック

院長

瀬戸 信一朗

▶ 監修者プロフィール

経歴
2004年
山口大学医学部 卒業
山口大学医学部付属病院 卒後臨床研修
2005年
山口労災病院
2006年
山口大学医学部付属病院整形外科学講座へ入局
2007年
山口県立総合医療センター レジデント
2009年
周東総合病院
2012年
山口大学医学部 臨床助教
2014年
山口県立総合医療センター 整形外科 部長
2017年
瀬戸病院 副院長
2020年
瀬戸整形外科クリニック 院長
2022年
山陽小野田医師会 理事
資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本リハビリテーション学会 リハビリテーション専門医
日本手外科学会 手外科専門医
日本プライマリ・ケア学会 認定医・指導医
国際マッケンジー協会認定セラピスト
日本スポーツ協会 スポーツドクター