高齢者のつまずきは転倒の前兆?原因と何科を受診すべきか解説|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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高齢者のつまずきは転倒の前兆?原因と何科を受診すべきか解説

高齢者のつまずきは転倒の前兆?原因と何科を受診すべきか解説

「最近つまずくことが増えた」その変化が気になったら


平らな廊下や絨毯の端で親がつまずく。回数が増えてくると、ご家族としては胸がざわつくものです。背景は加齢だけとは限りません。関節や神経、視力、服用中のお薬が関わっている場合もあります。この記事では、つまずきに関わる主な要因と、どの診療科へ相談するかの目安を整理します。


この記事の要点まとめ


  • つまずきは筋力低下や関節・神経の状態、視力、服用薬など複数の要因が関わることがあります
  • 放置すると転倒による骨折や活動量低下につながる場合があり、骨密度の確認も一つの目安になります
  • 症状に応じて整形外科・脳神経外科・内科など受診先の目安と、家族の伝え方の工夫を紹介しています

高齢者がつまずきやすくなる主な原因と隠れた疾患


つまずきの背景は、たいてい一つではありません。ご本人の身体側の要因(内的要因)と、住まいや履物といった環境側の要因(外的要因)が重なって起こると考えられています。


加齢による筋力低下とすり足歩行への変化


年齢を重ねると、太ももの前面やお尻、足首を持ち上げる前脛骨筋といった筋肉が徐々に減っていくとされます。足先を持ち上げる力が落ちれば歩幅は狭くなり、いわゆるすり足に近い歩き方へと変わることがあります。わずか1〜2センチの段差や絨毯の縁でつまずくようになったら、歩行パターンが変化しているサインと捉えたいところ。ご家族から見て「歩くのが遅くなった」「横断歩道を渡り切るのに時間がかかる」と感じる場合も、同じ変化を映していることがあります。


変形性関節症や脊柱管狭窄症など整形外科領域の病気


膝や股関節の変形性関節症があると、痛みをかばう歩き方になり、足の振り出しが小さくなる場合があります。腰部脊柱管狭窄症では、腰の神経の通り道が狭くなることで、しばらく歩くと足のしびれや脱力が現れ、足先が上がりにくくなることも。頸椎の病変が手足の動かしにくさに関わるケースもあります。こうした整形外科領域の状態は、レントゲンや超音波検査、必要に応じた画像評価などで確認していきます。


見落とされやすい視力低下や服用薬によるふらつき


白内障などで視界がかすむと、段差の高さや床の色の境目がつかみにくくなることがあります。そして気づかれにくいのが、お薬の影響。睡眠導入薬や抗不安薬、降圧薬、頻尿の治療薬などでは、ふらつきや立ちくらみが現れる場合があります。自己判断で中止せず、処方医や薬剤師へご相談ください。


つまずきを放置するリスクと骨粗しょう症の影響

つまずきを放置するリスクと骨粗しょう症の影響

つまずきそのものは一瞬の出来事でも、その先にある転倒は生活全体に影響しうるものです。山口県でも高齢化が進むなか、転倒をきっかけに生活の自立度が変化する例は少なくないと指摘されています。


大腿骨骨折や背骨の圧迫骨折が及ぼす生活機能への影響


高齢の方の転倒で問題になりやすいのは、太ももの付け根(大腿骨近位部)、背骨(脊椎圧迫骨折)、手首、肩の付け根。なかでも大腿骨近位部の骨折は歩行が難しくなり、入院や手術が必要になることの多い部位とされています。動かない時間が続くと筋力や関節の柔軟性が短期間で低下し、廃用症候群からADL(日常生活動作)の低下へつながることがあります。


また、一度転んだ経験から「また転ぶのでは」と外出を控えてしまう転倒後症候群も知られています。活動量が減ればさらに筋力が落ちるという循環に入りやすいため、痛みが軽い段階でのご相談と、無理のない範囲での筋力トレーニングやリハビリテーションが一つの選択肢になります。


骨密度低下に伴う骨折リスクと検査の重要性


骨粗しょう症は自覚症状が乏しいまま進むことがあり、同じ転び方でも骨の状態によって結果は異なると考えられています。閉経後の女性は骨量が減りやすいとされ、身長が縮んだ、背中が丸くなったといった変化が手がかりになる場合もあります。


当院では骨密度測定装置(DEXA)を備え、腰椎や大腿骨の骨密度を数値で確認できる体制を整えています。客観的な数値があると、ご本人にも状況を共有しやすくなります。「まだ大丈夫」と感じている段階でこそ、現状を数値で把握しておく意味があります。


つまずきが気になるときは何科を受診すべきか?症状別の受診先


関わる要因が多岐にわたるぶん、どこへ相談すればよいか迷いやすいところ。症状の組み合わせから、おおまかな目安を整理します。


足腰の痛み・歩行のしづらさがある場合は整形外科へ


膝や腰、股関節の痛み、足のしびれ、階段の上り下りのつらさ、立ち上がりに手をつく——こうした変化があるときは、まず整形外科での評価が入り口になります。骨・関節・筋肉・末梢神経を一体で確認でき、レントゲンや超音波検査、骨密度測定を組み合わせて状態を整理していきます。当院ではリハビリテーションの体制も整えており、歩行や筋力の評価をふまえた運動指導まで一連でご相談いただけます。


手足のしびれや麻痺、めまいを伴う場合の判断基準


次のような症状が加わる場合は、他の診療科との連携が必要になることがあります。


  • 片側の手足だけ動かしにくい・ろれつが回らない・顔のゆがみ → 脳血管障害の可能性を考え、速やかに脳神経外科や神経内科へ
  • 回転するようなめまい、耳鳴り、難聴を伴う → 耳鼻いんこう科へ
  • 立ちくらみ、動悸、血圧や血糖の変動が気になる → 内科へ
  • 物が二重に見える、視野が狭い → 眼科へ

判断に迷うときは、かかりつけの医師にご相談いただき、必要に応じて紹介いただく流れが現実的です。


強い痛みや動けない場合の緊急対応と相談窓口


転倒直後は、頭を打っていないか、意識ははっきりしているか、出血や強い変形がないかをまず確認します。頭部打撲後の嘔吐や意識のもうろう、痛みで起き上がれない、足の長さや向きが左右で違うといった状況では、無理に動かさず救急要請をご検討ください。


迷う場合の窓口として、救急医療に関する電話相談「#7119」を利用できる地域があります(実施状況は自治体により異なります)。夜間や休日は各自治体の当番医情報もあわせて確認しておくと、落ち着いて対応しやすくなります。


家族ができる受診の促し方と受診時に医師へ伝えるべき情報


受診を勧めても「まだ大丈夫」と返される。珍しいことではありません。伝え方と準備を少し工夫するだけで、話は進みやすくなります。


本人の気持ちを尊重しながら医療機関へ同行するアプローチ


衰えを指摘する言い方は、どうしても身構えられてしまいがちです。そこで「弱ったから」ではなく「これからも自分の足で歩き続けるための確認」として提案してみてください。「骨の状態を数値で見ておくと、食事や運動の目安がわかるらしいよ」「私も一緒に検査を受けたいから付き合って」といった声かけです。主役をご本人の将来の生活に置き換えると、受け入れられやすくなることがあります。


住まいの環境の見直しも同時に進めましょう。段差の解消、滑りにくい床材、夜間の足元灯、かかとの安定した履物への変更は、その日から取り組める外的要因への対策です。


つまずく頻度や服薬状況を共有するための事前メモ


診察の時間は限られます。ご家族が気づいた変化をメモにまとめて持参いただくと、診療の手がかりが増えます。


  • いつ頃から、月に何回くらいつまずくか
  • どんな場所か(平坦な床、段差、屋外、夜間など)
  • 痛みやしびれ、めまいの有無と部位
  • お薬手帳(睡眠薬・降圧薬などの有無)
  • 過去の骨折歴、身長の変化、持病

山口県山陽小野田市の当院は、JR小野田線「南中川駅」より徒歩5分、バス停「千代町」からすぐ。受付時間は8:50〜12:20、14:20〜17:30(木曜午後・土曜午後・日曜・祝日は休診)です。気になる変化があれば、早めにご相談ください。


よくある質問


Q1. 高齢の家族が転倒したら、何科を受診すればよいですか?

A. 足腰の痛みや腫れ、歩きにくさが中心であれば整形外科が入り口になります。頭を打った、手足の動かしにくさやろれつが回らないなどの症状があれば、脳神経外科や神経内科への受診をご検討ください。判断に迷うときは、かかりつけ医や地域の救急電話相談窓口へお問い合わせください。


Q2. 転倒してしまった直後は、どう対応すればよいですか?

A. まず声をかけて意識と呼吸を確認し、頭部打撲や出血、強い痛み、手足の変形がないかを見ます。痛みで起き上がれない場合は無理に動かさず救急要請をご検討ください。歩ける場合でも、あとから痛みや腫れが出ることがあるため、後日の受診をご検討いただくとよいでしょう。


Q3. 何もないところでつまずくのは、なぜでしょうか?

A. 足首を持ち上げる筋力が低下してすり足になっている、膝や腰の状態で足の振り出しが小さくなっている、視力の低下やお薬によるふらつきなど、複数の要因が重なっている場合があります。要因の見立てには診察と検査が役立ちます。


Q4. 骨密度の検査はどのように行いますか?

A. 当院ではDEXA(デキサ)法による骨密度測定装置を用い、腰椎や大腿骨の骨密度を測定しています。検査自体は短時間で、着替えを含めても身体への負担は大きくないとされる検査です。詳しい流れは受診時にご説明します。


Q5. 本人が受診を望まない場合、どう伝えればよいですか?

A. 「衰えの確認」ではなく「歩き続けるための現状把握」と伝えると、受け入れられやすい傾向があります。ご家族が一緒に検査を受ける、健康チェックの一環として提案するなど、心理的なハードルを下げる工夫をしてみてください。


瀬戸 信一朗

医師


瀬戸整形外科クリニック

院長

瀬戸 信一朗

▶ 監修者プロフィール

経歴
2004年
山口大学医学部 卒業
山口大学医学部付属病院 卒後臨床研修
2005年
山口労災病院
2006年
山口大学医学部付属病院整形外科学講座へ入局
2007年
山口県立総合医療センター レジデント
2009年
周東総合病院
2012年
山口大学医学部 臨床助教
2014年
山口県立総合医療センター 整形外科 部長
2017年
瀬戸病院 副院長
2020年
瀬戸整形外科クリニック 院長
2022年
山陽小野田医師会 理事
資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本リハビリテーション学会 リハビリテーション専門医
日本手外科学会 手外科専門医
日本プライマリ・ケア学会 認定医・指導医
国際マッケンジー協会認定セラピスト
日本スポーツ協会 スポーツドクター