防災の日 ~高齢者の『もしも』に備えて日頃からできること~
今回担当します作業療法士の徳永です。クリニックでは訪問リハビリを担当しており、要介護・要支援の認定を受けた方のご自宅でリハビリを行っております。9月を担当するにあたり、リハビリテーションの立場で防災について考えたいと思います。
《正常性バイアスってご存じですか?》
皆さんもご存じと思いますが、9月1日は『防災の日』です。最近では地震や台風、大雨災害のニュースをよく目にします。災害はいつどこで起こるかわかりません。しかしながら、災害のニュースや警報が出た時、心のどこかで『自分の所は大丈夫』『大したことはない』と考えてしまうことはありませんか?この『大したことない』や『自分は大丈夫』と考えてしまう心理的な働きを正常性バイアスと言います。正常性バイアスは誰にでも起こり得るものですが、災害時には避難の判断を遅らせる要因の一つになることがあります。そのため、災害が起こってから判断するのではなく、日頃から『もしもの時はどうするのか』を具体的に決めておくことが大切です。
《個別避難計画をご存じですか?》
日頃から災害や避難を意識することのきっかけになる『個別避難計画』をご存じですか?個別避難計画とは災害時に自力で非難することが難しい方について「どこへ・誰と・どのように避難するのか」などをあらかじめ決めておくものです。
・災害時、避難する場所はどこか?
・どの経路で避難するのか?
・誰と一緒に避難するのか?誰に支援してもらうのか?
・杖や歩行器など、必要な福祉用具は何か?
・移動や避難の際にどのような配慮が必要か?
ご本人・ご家族の身体状況や生活環境に合わせて次のようなことを考えておくことが大切です。「山陽小野田市のホームページ」には、個別避難計画に関するマニュアルや様式が掲載されています。ご家族やご近所の方、普段から関わっている支援者などで話し合ってみてはいかがでしょうか。
《日頃からできる身体の備え》
避難するためには「安全に移動できる身体」を維持しておくことも大切です。日頃から無理のない範囲での運動も必要です。
① 足腰の筋力を維持する
立ち上がることや歩行には足腰の筋力や柔軟性が必要です。椅子からの立ち座り運動や座ったまま大きく足踏み運動をしたり、足首の曲げ伸ばし、ウォーキングなど日常生活でできそうなことを取り入れてみてはいかがでしょうか。
②バランス能力を保つ
災害時には段差や障害物のある場所を歩くことも考えられます。安全に移動できるためにバランス能力も必要です。物につかまっての片足立ち運動もバランス能力を保つのに有効です。
③自宅の環境の確認
家具が倒れないように固定することや、避難経路や廊下などに物を置かないなど自宅内の環境を整えておくことも大切です。
9月1日の防災の日をきっかけに『自分のもしも』に備えて考えてみたり、日頃からできることを始めてみてはいかがでしょうか。
お身体のことや生活環境で気になることがあれば、遠慮なく私たちリハビリスタッフにお尋ねください。