よく耳にする、一般的な肘の疾患の一つに、「ゴルフ肘」があります。
ゴルフ肘は元々、無理な姿勢でのゴルフのスイングや、スイングのし過ぎによって発症することが多かったため、そのような名前がつけられました。
現在では、ゴルフ肘は、ゴルフ以外の原因でも発症することが明らかになっています。ゴルフをしている・していないに関わらず、肘の内側が痛いときは、ゴルフ肘の可能性があるかもしれません。
目次
■ゴルフ肘とは
◎肘の内側が痛む疾患です
肘の内側には内側上顆（ないそくじょうか）という硬い骨の部分があり、内側上顆には、前腕の腱（けん＝筋肉の付け根）が付着しています。
ゴルフ肘とは、何らかの原因（後述）によって内側上顆に付着している腱が炎症を起こし、肘の内側が痛む疾患です。
上記の理由から、ゴルフ肘は、正式名称を「上腕骨内側上顆炎（じょうわんこつないそくじょうかえん）」と呼びます。
■ゴルフ肘の原因
◎肘や手首の使い過ぎが主な原因
ゴルフ肘は、肘や手首の使い過ぎが主な原因とされています。
［ゴルフ肘の発症につながりやすい、主な原因］
・ゴルフで、無理な姿勢でスイングを続けた
・ゴルフで、スイングをくり返し行った
・テニスで、スイング（特にフォアハンドスイング）をくり返し行った
・仕事などで、重い物を運んだり、つかんで物を引っ張る動作をくり返し行った
ゴルフのほか、テニスなどのスイングを伴うスポーツや、仕事での動作もゴルフ肘の発症原因として挙げられます。
｛加齢により、ゴルフ肘を発症しやすくなることも｝
上記の原因に加え、中高年の方は加齢により、筋肉や腱の柔軟性が失われ、ゴルフ肘を発症しやすい傾向があります。
■ゴルフ肘の症状
◎肘を曲げる、手首を手のひら側に曲げる、などの動作をしたときに、肘の内側に痛みを感じることがあります
ゴルフ肘では、以下のような動作をしたときに、肘の内側に痛みを感じることがあります
［ゴルフ肘の主な症状］
・肘を曲げたとき、肘の内側が痛む
・手首を手のひら側に曲げたとき、肘の内側が痛む
・タオルや雑巾を手のひら側にしぼったとき、肘の内側が痛む
・物をつかんで持ち上げたとき、肘の内側が痛む
・ロープを引っ張ったとき、肘の内側が痛む
・肘を伸ばして腕をまっすぐにした状態で肘の内側の硬い部分を抑えると、肘の内側が痛む
・何もしていない安静時に、肘の内側が痛む（重度のゴルフ肘）
■ゴルフ肘の治療方法
◎安静後、肘の状態や患者様のご希望に応じ、適切に治療を行うことが重要です
ゴルフ肘の治療方法には、以下のようなものが挙げられます。
ゴルフ肘は、主に、肘や手首の使い過ぎが発症の原因です。まずは、なるべく肘や手首を動かさず、安静にしましょう。
安静後は、肘の状態や患者様のご希望（スポーツや仕事でのパフォーマンスを求める場合など）に応じ、適切に治療を行うことが重要です。
［ゴルフ肘の治療方法］
①安静
②肘サポーター
③湿布
治療に加え、ゴルフ肘は普段からの予防が大切です。次の項では、ゴルフ肘を防ぐための予防方法をご紹介します。
■ゴルフ肘を防ぐための予防方法
◎肘の内側の腱や筋肉に緊張を残さないよう、ふだんから予防に努めましょう
ゴルフ肘は、肘や手首の使い過ぎが主な発症原因です。
ゴルフなどのスポーツや、仕事で、肘・手首を使ったとき、腱や筋肉の緊張をなるべく残さないようにすることで、ゴルフ肘の予防につながります。
ゴルフ肘の予防方法
①ストレッチ
手のひらのストレッチにより、肘の内側の腱にかかる負荷を軽減する効果が期待できます。
手のひらのストレッチ
1．左右の、人差し指から小指までを手のひら側に絡め合わせます
2．ゆっくり、手の甲側に指を反らし、手のひらを伸ばしてください
②アイシング
スポーツや仕事で肘・手首を使った後は、氷などを用い、肘の内側部分を冷やしましょう。
③サポーター（エルボーバンド）＆テーピング
サポーターやテーピングにより、肘の内側にかかる負担を軽減する効果を期待できます。
【肘の内側に痛みがある場合は、当院までご相談ください】
ゴルフ肘は軽度であれば、安静によって症状がやわらぎ、特に治療が要らない場合もあります。ただし、進行しているケースでは、整形外科をはじめとする医療機関でのゴルフ肘の治療・ケアが必要になることも。
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当院では、上記および理学療法士によるストレッチ＆マッケンジー法による治療を行っています。
肘の内側に痛みがある場合は、当院までご相談ください。
診察では医師が肘の状態を確認し、必要に応じて検査を行います。検査後、診断結果を基に、一人ひとりに合った治療・ケア方法をご提案させていただきます。
