変形性膝関節症など、ご高齢の方に多い膝の疾患。
膝の疾患で膝が痛む・膝の安定性が低下している場合は、対処方法として、膝サポーターという選択肢も。
膝関節をサポートする機能を持つとされる膝サポーターですが、膝サポーターは本当に効果があるのでしょうか?
今回は、膝の痛みに対する膝サポーターの効果、および、膝サポーターのメリット・デメリットのお話です。
目次
■膝の痛みには膝サポーターは効果があるの?
◎医療機関で処方する適切な膝サポーターの装着により、膝の痛みを緩和する効果を期待できます
気になる、膝サポーターの効果。
結論から申します。
整形外科をはじめとして、医療機関で処方する適切な膝サポーターの装着により、膝の痛みを緩和する効果を期待できます(※)。
(※)整形外科で処方する膝サポーターは膝関節のサポートを目的とする装具療法の一種です。膝サポーターを装着したからと言って、必ずしも、膝の痛みの緩和を保証するものではありません。
◎市販品でも効果が期待できる物もありますが、サイズに注意が必要
膝サポーターには、医療機関以外の市販品も。
市販品だからと言ってダメ、効果がない、ということはありません。市販品の膝サポーターでも膝の痛みを緩和する効果を期待できる物もありますが、サイズが合っていない膝サポーターには注意が必要です。
サイズが合っていないと膝の安定性を高められなかったり、キツすぎて膝周りの血行が悪くなるおそれがあります。
■膝サポーターのメリット・デメリット
〇メリット
医師の診断に基づき、整形外科で処方する膝サポーターには、以下のようなメリットがあります。
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膝関節を適切に圧迫してサポートすることで、膝の痛みを緩和する効果を期待できる
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保温作用により、膝の痛みを緩和する
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膝サポーターを装着して膝の安定性を高めることで、歩行や家事、仕事などの日常動作でかかる膝への負担を軽減しやすくなる
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膝サポーターを装着して膝の安定性を高めることで、ストレッチ・筋トレなどのリハビリの動作を行いやすくなる
〇デメリット
メリットがある一方、膝サポーターは万能ではありません。以下のようなデメリットも。
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膝関節を圧迫してサポートできる反面、膝のクッション性が低下して腰、股関節、足首など、膝以外の部分に負荷がかかりやすくなる
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膝サポーターを装着し続けていると足の筋肉にかかる負荷(刺激)が減り、足の筋肉が衰えやすくなる
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膝の状態や用途(日常生活orスポーツ用など)に合った膝サポーターを装着しないと、膝関節をサポートできないおそれがある
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膝サポーターがキツ過ぎる場合、膝周り・足の血行が悪くなるおそれがある
【膝の痛み・膝の違和感がある方はお気軽にご相談ください】
整形外科で処方する膝サポーターは膝関節の安定性を高める効果を期待できます。ただし、膝サポーターは変形性膝関節症などの膝の疾患そのものを治す機能はありません。
あくまでも、膝サポーターは膝関節を補助するための装具です。「膝サポーターは補助のための装具」という点にご留意いただき、歩行や日常生活の動作、リハビリの補助として膝サポーターを活用しましょう(※)。
(※)膝の状態によっては、
膝サポーターの装着が不要or膝サポーターを
装着しなくても大きな問題が起きにくいケースもあります。
– リハビリを中心とした膝の痛みの治療・ケアを行っています –
瀬戸整形外科クリニックでは、リハビリを中心とした、以下のような治療法による変形性膝関節症の治療・ケアを行っています。
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お薬の処方(鎮痛剤、湿布など)
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装具療法(膝サポーター)
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注射(ヒアルロン酸、ジョイクル)
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クーリーフ(膝の知覚神経のみを焼灼し、膝の痛みの緩和を図ります)
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手術(手術が必要と考えられる場合は病院をご紹介いたします)
リハビリメニュー
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ほぐし&ストレッチ
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筋トレ
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運動器リハビリ(レッドコードなど)
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マッケンジー法
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入谷式足底板
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物理療法(温熱器や超音波、レーザーなどを用い、膝の痛みの緩和を図ります)
変形性膝関節症などの膝の疾患に対しては、まずは、整形外科で診察を受けることが大切です。
整形外科にて、ご自身の膝の状態に合った適切な治療・処置を受けると共に、リハビリ(運動療法・物理療法)を行うことで、膝の痛みを緩和しやすくなります。
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今回は「膝サポーターの効果」「膝サポーターのメリット・デメリット」について、お話をさせていただきました。
膝が痛くて長い距離を歩けない、立つ・しゃがむのがツライなど、膝の痛みでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。