60歳からの筋肉のつけ方──若い頃と同じ筋トレではダメな理由|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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60歳からの筋肉のつけ方──若い頃と同じ筋トレではダメな理由

60歳からの筋肉のつけ方──若い頃と同じ筋トレではダメな理由

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「最近体力が落ちてきた気がする…」
「運動しているのに、なかなか筋肉がつかない…」
そんな悩みを感じていませんか?
筋肉は、“若々しさ”を保つために欠かせない存在です。実際、整形外科の診察でも、その重要性を日々実感します。
先日、81歳の患者さんのひざに超音波を当てたところ、筋肉・血管・神経が驚くほどきれいに映り、思わず「筋肉も神経も若いですね!」と声をかけました。
お話を聞くと、その方は昨年までバドミントンを続け、今も毎日ジムで30分のランニングを続けているとのこと。
やはり、運動習慣は体の“見えない部分”まで若く保つ力があります。
今回はそんな経験を踏まえつつ、
「運動だけじゃない!60歳からの筋肉のつけ方」
というテーマで、「年齢を重ねてからこそ必要な筋肉の正しいつけ方」についてまとめていきます。

なお、今回ご紹介する内容を、分かりやすく解説したYouTube動画を公開しています。
ブログでは書ききれなかった部分も、丁寧にまとめています。

以下のサムネイルをクリックしてご覧ください

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「筋トレだけ」では筋肉はつかない

一見すると「筋肉をつけるには筋トレを頑張ればいい」と思われがちですが、実はそれだけでは不十分です。
筋肉づくりに欠かせない3本柱――
①食事 ②休息 ③適切な筋トレ
この3つが揃って初めて、効率よく筋肉がついていきます。

食事が重要な理由
糖質制限が流行っていますが、筋肉をつけたい人が極端な糖質制限をすると逆効果です。
糖質が少ない状態で運動すると、せっかく摂ったタンパク質が「筋肉の材料」ではなく「エネルギー」として消費されます。
さらに、体はエネルギー不足を補おうとして筋肉そのものを分解してしまいます。
「筋トレを頑張っているのに筋肉が増えない…」という人に多いパターンです。

休息も筋肉づくりの一部
中高年を対象とした研究では、
睡眠の時間・質が低い人は筋力も低い。
という結果が複数出ています。
どれだけ運動しても、修復が追いつかなければ筋肉は成長しません。
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「筋肉がつく」とはどういうこと?

筋肉は「筋線維」という細い繊維の集合です。
運動で負荷がかかると、この筋線維に小さな傷がつきます。
その傷が修復されるとき、体は
“以前より強く、太く”
作り替えるのです。
これが「筋肥大」=筋肉がつく、という現象です。
しかし60歳前後になると、以下の理由で筋肉がつきにくくなります。
① トレーニング強度が下がる
加齢により激しい運動が難しくなり、自然と負荷が不足してしまいます。
② 痛みで運動を避けてしまう
五十肩・腰痛・ひざ痛などで運動が制限されるケースが増えます。
③ ホルモンの変化
成長ホルモン・テストステロン・エストロゲンなどが減少し、筋肉合成が起こりにくくなります。
これらの要因で、若いときと同じ方法・同じ量をやっても効果が出にくいのです。
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60歳から筋肉を増やすために必要な「食事の量」

60歳を超えると、同じ食事量でも“筋肉の材料”として使われる量は若い頃より減っていきます。
だからこそ、意識して必要量を摂ることが大切です。
タンパク質は「体重×1.3g以上」が目安
研究では、
体重1kgあたり1.3g以上
のタンパク質で筋肉量が増えるとされています。
例)体重60kgの場合 → 80g以上/日
80gは意識しないと難しく、
・魚
・肉
・卵
・大豆製品
を3食に分けてしっかり摂ることが重要です。
ホエイプロテインも有効
特に「ロイシン」が多く含まれ、筋合成を促します。朝食や運動後に取り入れるのがおすすめです。
カロリー不足にも注意
タンパク質だけでなく、総カロリーが足りないと筋肉は増えません。
厚労省の目安:
体重1kgあたり40kcal
例)
・体重61kg男性 → 約2400kcal
・体重49kg女性 → 約2000kcal
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筋肉がつくと、生活はこう変わる

筋肉がつくと、本当に多くのメリットがあります。
① 見た目が若返る
お腹まわりが引き締まり、姿勢も良くなります。
鏡を見るのが楽しくなり、気持ちまで若くなります。
② 足腰が強くなる
・転倒予防
・骨折予防
・階段の上り下りが楽に
・歩ける距離が伸びる
結果として介護リスクを下げることにつながります。
③ 生活習慣病を予防
筋肉が増えると代謝が上がり、
糖尿病・高脂血症などの予防につながります。
最近では認知症予防の効果も報告されています。
④ 関節の痛みが軽くなる
変形性膝関節症では、筋力が増えることで関節周りが安定し、痛みが軽減されるケースが多くあります。
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60歳以降で避けたい「間違った筋トレ」

注意していただきたいのが、
いきなりハードな運動を始めることです。
・マラソン
・トライアスロン
・強度の高い筋トレ
こうした運動は、
ひざや股関節、軟骨を傷めるリスクがあります。
目的は“ボディービルダーのような筋肉”ではなく、
“健康的に長く動ける体”を作ること。
毎日続けられる、無理のない運動が最も大切です。
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痛みがある場合は、整形外科へご相談ください

「運動したいけどひざが痛い…」
「腰が痛くてトレーニングを続けられない…」
そんな方は、ぜひ整形外科で一度チェックしてください。
関節の状態に合わせて、安全に続けられる運動方法を提案することができます。
興味のある方は、ぜひ当院ホームページをご覧ください。
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もっと詳しく知りたい方へ

今回ご紹介した内容を、さらに分かりやすく解説したYouTube動画を公開しています。以下のサムネイルをクリックしてご覧ください。


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