骨粗しょう症は治療を受ければ治る? 薬・運動・食事の基本 予防の大切さ|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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骨粗しょう症は治療を受ければ治る? 薬・運動・食事の基本 予防の大切さ


加齢、女性ホルモンの減少による骨代謝の異常など、何らかの原因により、全身の骨がもろく、スカスカになる「骨粗しょう症」。


[骨粗しょう症の主な原因]


  • 加齢

  • 女性ホルモンの減少

  • 運動不足

  • 内分泌の病気(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)

  • 薬の長期服用(ステロイドの長期服用など)


今回は、骨密度の低下を抑え、「骨粗しょう症と上手につきあっていく」ための薬・運動・食事の基本をご紹介します。


■骨粗しょう症は、治療(薬の服用、注射など)を受ければ治るの?


◎治療を受けても、若い頃の骨密度に戻すのは難しいです

酷な言い方になるかもしれませんが、骨粗しょう症は治療を受けても、若い頃の骨密度に戻すのは難しいです。


骨粗しょう症の発症原因は様々ですが、原因の一つに「加齢」があります。


どなたも、年齢を重ねるごとに骨密度が低下していきます。加齢が原因として関わってくるため、骨粗しょう症の治療を受けても、若い頃の骨密度に戻すのは難しいのです。


◎骨粗しょう症は「上手につきあっていく(現状の骨密度を維持する)」が基本になります

骨粗しょう症に対しては、


  • 薬(飲み薬、注射)

  • 運動

  • 食事(カルシウムをはじめとした、栄養バランスの取れた食事)


上記の3つで「上手につきあっていく(骨密度がこれ以上下がらないよう、現状の骨密度を維持する)」が基本になります。


骨密度の現状維持が基本になりますが、上記の3つに取り込んでいくことで、患者様によっては多少、骨密度を増やせる可能性も。


■骨密度と「上手につきあっていく」ために その① 治療


◎飲み薬や注射を用いて骨吸収を抑えると共に、骨密度の増加を図ります

骨粗しょう症の治療では、一般的に以下のような飲み薬、注射が用いられます。


[骨粗しょう症の治療で用いられる飲み薬、注射]


骨吸収(骨の破壊(破骨))を抑える薬


  • ビスホスホネート(飲み薬、注射)

  • 抗RANKL抗体薬(注射)(例:デノスマブ)

  • 選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)(飲み薬)(例:ラロキシフェン)


骨形成をうながす(骨密度の増加をうながす)薬


  • 副甲状腺ホルモン薬(注射)(例:テリパラチド)

  • 抗スクレロスチン抗体薬(注射)(例:ロモソズマブ)


カルシウムの吸収をサポートする薬


  • 活性型ビタミンD(飲み薬、注射)(例:エディロール、ロカルトロール注射液など)

  • カルシウム(飲み薬、注射)(例:アスパラ-CA、デノタス、カルチコール注射液など)

  • ビタミンK(飲み薬、注射)(例:グラケー、ケイツーN注射液など)


■骨密度と「上手につきあっていく」ために その② 運動


◎有酸素運動、足の筋力増加を中心とした全身の筋トレで骨密度の現状維持を図ります

骨粗しょう症に対しては、定期的(毎日が望ましいです)に運動を行い、骨に刺激を与えて骨密度の低下を防ぐことが大切です。


有酸素運動、足の筋力増加を中心とした全身の筋トレによって骨密度の低下を防ぐと共に、骨密度の現状維持を図ります。


[骨密度の低下を防ぐための運動]


有酸素運動


  • ウォーキング(1時間以内)

  • 踏み台昇降

  • 自転車

  • 水泳


など、無理のない範囲で安全に行える有酸素運動


筋トレ


  • クォータースクワット(腰(お尻)を4分の1程度、浅く下ろすスクワット)

  • マシントレーニング


など、無理のない範囲で安全に行える筋トレ


現状維持が基本になりますが、上記のような運動を継続することで、筋力や骨密度の低下を防ぎ、転倒や骨折のリスクを減らすことにつながります。


■骨密度と「上手につきあっていく」ために その③ 食事


◎カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨形成をうながし、骨代謝を助ける栄養素を含む食事を摂ることが重要です

薬、運動と共に、骨粗しょう症に対しては、以下のような栄養素の摂取も重要になります。


[骨形成をうながし、骨代謝を助ける栄養素]


  • カルシウム

  • ビタミンD

  • ビタミンK


などを含む、栄養バランスが取れた食事


■骨粗しょう症にならない・骨粗しょう症を進行させないために 「予防」の大切さ


◎若い頃から定期的に運動を行い、栄養バランスが取れた食事による「貯骨」をしましょう

加齢、女性ホルモンの減少など、骨粗しょう症は様々な因子が発症に関係しています。


様々な因子が関係しているため、100%、骨粗しょう症にならないようにすることは難しいです。


100%、防ぐことは難しいですが、骨粗しょう症にならない・骨粗しょう症を進行させないためには、


  • 定期的な運動(できるだけ若い頃から運動の習慣を身につけることが望ましいです)

  • カルシウムを中心とした、栄養バランスが取れた食事の摂取


が重要になります。


骨粗しょう症になる前に、若い頃から定期的に運動を行い、栄養バランスが取れた食事で貯金ならぬ「貯骨(ちょこつ)」に努め、骨密度の低下を防ぎましょう。


【来月のブログでは、骨密度を維持・増やすための食事についてお話しします】


今回は、「骨粗しょう症への対処 薬・運動・食事」のご説明をさせていただきました。


来月のブログでは、骨密度を維持・増やすための食事についてお話しします。


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