ヘバーデン結節の治療法について|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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ヘバーデン結節の治療法について

ヘバーデン結節をご存知でしょうか?
「指先の関節が腫れて曲げると痛い、料理や細かい作業がしにくい」ときに最も疑う疾患です。
今回はヘバーデン結節と、新しく開発された治療法についても説明します。

1.ヘバーデン結節とは?
 典型的には、指の第1関節が腫れて痛みを生じます。時間が経つと、痛みは改善してきますが第1関節にコブのような変形が残ります。
 指の関節軟骨などが痛む、指の「変形性関節症」で、原因は不明と言われていますが、近年、ヘバーデン結節などの変形性関節症は軟骨・骨・滑膜組織などから作られる炎症性細胞が関与しているとの発生機序も考えられています (Berenbaum F: Osteoarthritis as an inflammatory disease. Osteo-arthritis cartilage 21:16-21,2013)。

 


2.更年期以降の女性に多い
 イギリスでの研究では、レントゲン上の変形の男女比は1:2ですが、痛みなどの症状は、1:9で女性に多いと言われています。 (Cecil RL:Arthritis of the menopause. JMMA1925;84:75-9)。
 では、日本人の指は何歳から変形してくるのでしょうか?
 長崎の肥前大島において、551名の女性の指のレントゲンを撮影し、KLグレード2以上の変形を認めた患者数を調べて研究があります。(Toba N : Prevarence and involvement patterns of radiographic hand osteoarthritis in Japanese woman: the Hizen-Oshima Study. J Bone Miner Metab. 2006)
 この研究で示された、年代ごとのヘバーデン結節の有病率をグラフにしてみました。40−50代のいわゆる更年期に変形が始まり、50代では約4割、70代では約8割の指が変形しているようで、有病率もかなり高い事がわかります。




3.ヘバーデン結節の検査 
 レントゲン、血液検査を行います。
 レントゲンでは、関節軟骨の摩耗や変形の程度を、血液検査では乾癬性関節炎など自己免疫性疾患の有無などを調べます。



4.ヘバーデン結節の治療
 治療の目的は以下の2つです。
 ① 変形の予防
 ② 痛みを取り、生活や仕事に支障がないようにします

それぞれ解説していきます。

①「変形の予防」には
 □ 指先への負担を軽減する(できるだけ指の根本や手のひらで作業を行う)
 □ テーピングやスプリントで関節を固定し、負担を減らす
 などがあります。完全に変形してしまった場合には、手術で痛みや変形を改善させることができます。

②「痛みを取る」治療には
 □ 湿布・塗り薬
 □ 痛み止めを飲む
 □ 大豆イソフラボン
 □ 関節内ステロイド注射
 などがあります。

ヘバーデン結節かな?と思われた方は、ご相談ください。


日本整形外科学会専門医・日本手外科学会専門医 瀬戸信一朗
瀬戸整形外科クリニック
院長
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