「イタタタ… 冬になると、膝が痛む…」
「冬に膝が痛くなりやすいのは、ナゼ?」
気温が下がり、寒い冬。
寒いと、いろんなことがおっくうになるなど、冬があまり好きじゃない方もいらっしゃるかもしれません(冬の空気感や雪景色など、冬が好きな方もいらっしゃいますね)。
気温の低下に伴い、冬は膝が痛くなりやすい季節でもあります。
なぜ、冬に膝が痛くなりやすいのでしょうか?
今回は「冬に膝が痛くなりやすい理由」および「「寒さによって増す冬の膝の痛み」への対処方法」をご紹介します。
目次
■冬に膝が痛くなりやすい理由 膝の裏が痛いことがある理由は?
◎血行不良、筋肉のこわばり、膝の関節液の粘度の増加などにより、冬は膝が痛くなりやすい傾向が見られます
気温の低下に伴う以下のような理由により、冬は膝が痛くなりやすい傾向が見られます。
{冬の膝の裏の痛みは「膝の裏の関節のこすれ」が原因の可能性も}
「冬に膝の裏が痛くなる」方は、以下のような原因で膝の動きが悪くなり、膝の裏の関節同士がこすれ合って痛みが生じている可能性も。
1.血行不良
気温の低下に伴い、冬は血管が収縮し、血液の流れが滞りやすくなります(血行不良)。
血行不良により、膝周りの関節や筋肉に血液(栄養分を含む血液)が行き届きにくくなるのです。
栄養を含む血液が膝周りに行き届かなくなると、老廃物(疲労物質など)の代謝が悪化しやすくなります(疲労物質(FF:ファティーグ・ファクターなどのタンパク質)が蓄積しやすくなる)。
疲労物質の蓄積が原因で、次にご説明する「筋肉のこわばり」をひき起こすことも。
2.筋肉のこわばり
血行不良によって老廃物の代謝が悪化すると、膝周りの筋肉(太もも、ふくらはぎ、前脛骨筋(すねの筋肉)など)がこわばり、膝の動きが硬くなりやすいです。
膝の動きが硬くなるとスムーズに膝を動かしにくくなり、膝の痛みを感じやすくなります。
3.気温・気圧の変化に伴う自律神経の乱れ(天気痛(気象病、気象関連痛))
気温が下がると共に、冬は頻繁に気圧が入れ替わる季節です(高気圧(移動性高気圧など)→低気圧(爆弾低気圧など)→高気圧というように、冬は気圧の入れ替わりが多い)。
気温・気圧が変化すると、自律神経の乱れが生じやすくなります。
自律神経の乱れに伴い、頭痛、肩こり、手首の痛み、腰痛、膝の痛みなど、膝を含む様々な箇所の痛みが増すケースも(天気痛)。
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上記のような要素が、冬に膝が痛くなりやすい主な理由です。
次の項では、冬の膝の痛みへの対処方法をご紹介します。
■冬の膝の痛みへの対処方法
◎膝・身体を温め、適度に膝を動かすことが大切です
気温の低下に伴う、冬の膝の痛み。
冬の膝の痛みに対しては、膝・身体を温め、適度に膝を動かすことが大切です。
①膝・身体を温める(膝・身体を冷やさないようにする)
膝が冷えると、血行不良によって膝の痛みが生じやすくなります。
冬は、タイツやレッグウォーマー、膝サポーターなどで膝周りを温め、膝を冷やさないようにしましょう。
膝の保温に加え、暖房を入れる、しっかり着込むなど、冬は身体を冷やさないようにすることが大切です。
②適度に膝を動かす
気温の低下に伴い、冬はいろんなことがおっくうになりがち。冬になると、あまり身体を動かさなくなる(ほとんど、運動しなくなる)方もいらっしゃるのではないでしょうか?
寒いと、何をするのにもおっくうになる…(お布団から出たくないときもありますよね…)
いろんなことがおっくうになりがちな冬ですが、冬の季節を含め、膝の痛みを低減するには、無理のない範囲で、普段から適度に膝を動かすことが大切です。
ウォーキングなどの有酸素運動、スクワットなどの足の筋トレを行い、適度に膝を動かしましょう。
変形性膝関節症などにより膝が痛く、長い距離・長時間歩けない方は、自転車でもかまいません。自転車に乗る際は、交通事故に十分注意し、気をつけて自転車を運転してください。
自転車に乗るのも膝が痛い方は、椅子に座って膝を曲げ伸ばす運動を行う方法もあります(※)。
膝の痛み・膝の状態に応じて、無理のない範囲で、普段から膝を動かす習慣をつけましょう。
(※)膝の痛みがある方は、医師に運動の種類を伝え、
その運動を行っても良いかを確認してください。
③膝関節の健康・筋肉量を維持するための食事&水分補給
膝関節の健康、および、膝周りの筋肉(太もも、ふくらはぎ、前脛骨筋(すねの筋肉)など)を維持するために、以下のような栄養を含む食品を積極的に摂りましょう。
コラーゲン:関節の軟骨成分を維持する栄養素
鶏の軟骨、鶏の皮、牛すじ、豚足、豚白モツ、魚の皮、うなぎ、くらげ、ナマコなど
タンパク質:筋肉量を維持する(or筋肉量を増やす)栄養素
肉類(鶏・牛・豚など)、大豆、乳製品など
ビタミンC:コラーゲンの生成を助ける栄養素
キャベツ、パセリなどの生の野菜類、柑橘系の果物(みかん、オレンジ、レモンなど)を含む、いちご、キウイ、アセロラなどの生の果物類
ビタミンD:骨の形成を助け、炎症を抑える栄養素
サバ、マグロ、イワシなどの魚類、マイタケ、シイタケ、マッシュルームなどのキノコ類、卵黄など
オメガ3脂肪酸:炎症を抑える栄養素
サケ、サバ、イワシなどの魚類、クルミなどのナッツ類、アマニ油、エゴマ油、チアシートなどの種子油&種子など
{サプリメントからの栄養摂取もOK}
上記のような栄養素を含め、栄養は自然の食品からの摂取が望ましいです。
自然の食品からの栄養摂取が望ましいですが、料理をする時間がないなど、食品からの栄養摂取が難しい場合も。食品からの栄養摂取が難しい場合は、サプリメントを活用することで、上記のような栄養素を効率的に摂取できます。
【膝の痛みがある方は整形外科を受診することをおすすめします】
変形性膝関節症による慢性的な膝の痛みなど、膝の痛みがある方は、まずは、整形外科を受診することが大切です。
膝が痛くなりやすい冬ですが、膝の痛みがある方は、今回ご紹介した対処方法を実践してみてください。
対処方法の実践に加え、整形外科を受診することで、一人ひとりの方に合った適切な治療・リハビリを行いやすくなります。膝の痛みでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。