車・バイク・自転車などによって起きる、交通事故。
交通事故では強い衝撃を身体に受けることが多く、骨折するケースが少なくありません。
今回は、「交通事故で骨折しやすい部位 骨がくっつくまでの期間+治療期間の目安」について、ご説明します。
■交通事故で骨折しやすい部位 骨がくっつくまでの期間+治療期間の目安
{骨がくっつくまでの期間(癒合期間)と治療期間の違い}
癒合(ゆごう)期間とは、骨が折れた箇所に仮の骨(仮骨:かこつ)が現れてから(仮癒合)、完全に骨がくっつくまでの期間です。
一方、治療期間とは、整形外科などの医療機関で行う骨折の治療・リハビリにかかる期間を指します。
折れた部位を回復し、身体を動かせるようにするには、骨がくっついた(癒合)後も、整形外科をはじめとする医療機関で治療・リハビリを継続することが大切です。
(※)以下の期間は目安です。
骨折の状態により、下記以上の
癒合期間+治療期間がかかる場合があります。
①骨盤
上半身と下半身をつないでいる、骨盤。
車の乗車時の交通事故においては、事故で受けた衝撃が足から骨盤へ伝わり、骨盤を骨折するケースが多いです。
車の乗車時のほか、バイク・自転車の交通事故で強い衝撃を受け、骨盤を骨折することも。
≪骨盤がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
2ヶ月程度 |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →3~6ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →6ヶ月~1年程度 |
②足
身体の半分を占める、足。
身体に占める割合が大きいため、交通事故では足に衝撃を受けやすいです。
車・バイク・自転車・歩行者、いずれにおいても、交通事故では足の骨折が多く見られます。
≪足の骨がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
・3~6ヶ月程度(太もも) ・2~3ヶ程度(膝関節:膝のお皿) ・2ヶ月程度(すね) ・2ヶ月程度(足首) |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →3~6ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →6ヶ月~1年程度 |
③肋骨(あばら骨)
高齢者の方や骨密度が低い方の交通事故では、車の乗車時、シートベルトの圧迫による肋骨の骨折が多く見られます。
バイク・自転車の交通事故においても、地面に胴体を強く打ちつけたことによって肋骨が折れることも。
≪肋骨がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
2~3ヶ月程度 |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →2~3ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →4~5ヶ月程度 |
④顔
車の乗車時・自転車での走行時など、ヘルメットをかぶっていない状況における交通事故では顔を骨折することがあります。
前頭骨(おでこの骨:頭蓋骨の一部)、眼窩、鼻骨、頬骨、上顎骨・下顎骨など、交通事故の状況により、顔の骨折部位は様々です。
≪顔の骨がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
・2ヶ月~1年程度(前頭骨) ・2~3ヶ月程度(眼窩、鼻骨、頬骨、上顎骨・下顎骨) |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →3~6ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →6ヶ月~1年程度 |
⑤肩周り
バイク・自転車・歩行者における交通事故で転倒時に肩をぶつけ、肩甲骨、鎖骨などの肩周りの骨が折れることがあります。
車の乗車時にも、肩への衝撃によって肩周りの骨が折れる場合も。
≪肩周りの骨がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
2~3ヶ月程度(肩甲骨、鎖骨) |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →3~4ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →5~6ヶ月程度 |
⑥腕
バイク・自転車・歩行者における交通事故で転倒時に腕をぶつけ、上腕骨、前腕、手首などの腕の骨が折れることがあります。
車の乗車時にも、腕への衝撃によって腕の骨が折れる場合も。
≪腕の骨がくっつくまでの期間+治療期間≫
骨がくっつくまでの期間(目安) |
2ヶ月程度(上腕骨、前腕、手首) |
治療期間(目安) |
手術をせず、固定(保存的療法)で治療する場合 (骨のズレや骨片があまり大きくないケース、骨片が少ないケース) →3~4ヶ月程度 |
手術を行う場合 (骨のズレや骨片が大きいケース、骨片が多いケース) →5~6ヶ月程度 |
【次回は「交通事故で負った骨折に対する整形外科での治療方法」をご紹介します】
今回は、「交通事故で骨折しやすい部位 骨がくっつくまでの期間+治療期間の目安」について、ご説明をさせていただきました。
次回のブログでは、「交通事故で負った骨折に対する整形外科での治療方法」をご紹介します。