年齢を重ねると、加齢によって骨密度(骨量)が低下していきます。
どなたにも起こる骨密度の低下ですが、65歳以上の方は骨密度の低下によって骨がもろくなり骨折しやすくなる「骨粗しょう症」に注意が必要です。
特に65歳以上の女性は出産経験や閉経により、骨粗しょう症を発症するリスクが高いです。65歳以上の日本人女性の2人に1人が骨粗しょう症の可能性があると推測されています(※)。
(※)公益財団法人 骨粗鬆症財団「骨粗鬆症の予防と
治療ガイドライン」(2015年版)より引用。
当院では、骨粗しょう症を早期に発見し、早期の予防・治療につなげるために「DEXA検査」による骨粗しょう症の検査を行っています。
目次
■DEXA検査とは
◎症状が出やすい箇所をピンポイントで測定でき、骨粗しょう症の発見に役立ちます
DEXA検査とは、レントゲン(X線)を用いて全身の骨密度を測定できる検査法です。全身の骨密度の測定に加え、DEXA検査では腰骨や大腿骨など、骨粗しょう症を見分けやすい箇所の骨密度をピンポイントに測定できます。
■DEXA検査以外のほかの検査法について
DEXA検査以外の骨粗しょう症の検査法は主に以下のようなものがあります。
さまざまな検査法がありますが、現在、DEXA検査は骨粗しょう症の検査法の中でもっとも信頼性が高い方法と考えられています。
・MD法
アルミニウムの板に乗せた手をレントゲンで撮影し、骨密度を測定する検査法です。手のみを撮影するため短時間(1分~数分程度)で済みますが、手の骨密度しかわからないため、簡易的な検査になります。
・超音波法
踵やすねに超音波をあて、骨の状態を評価します。X線を用いず、被ばくの心配がありません。
超音波法は骨の状態を見て骨密度を評価する検査法です。骨密度の測定はできないため、通常、骨粗しょう症の診断では超音波法は実施しません(人間ドックや検診などで超音波法により骨密度の評価を行うことがあります)。
■DEXA検査の内容
◎機器の上に寝ていただくだけで、5分程度で検査が終了します
DEXA検査では専用のレントゲン機器に寝ていただき、腰椎や大腿骨を中心に骨密度を測定します。
検査時間は5分程度です。機器の上に寝ていただくだけで、5分程度で検査が終了します(※)。
(※)患者様や検査箇所により、検査時間が異なります。
■骨粗しょう症のセルフチェック
◎10年以内の骨折リスクを簡易的に評価できます
こちらのページはWHOが開発した骨密度のセルフチェックツールです。
身長・体重などの簡単な項目を入力することで、骨粗しょう症による10年以内の骨折リスクを簡易的に評価できます。
整形外科で骨密度を測定する前に、骨粗しょう症による骨折のリスクを知っておきたい場合は上記のページでセルフチェックをしておくとよいでしょう。
【骨粗しょう症は「栄養」と「運動」による予防が大切です】
DEXA検査は予約制ですが、空きがあれば当日検査することも可能です。DEXA検査をご希望の方は受付までお申し出ください。
骨粗しょう症はできるかぎり早い段階で予防を行うことが大切です。
骨粗しょう症を発症した場合は主にお薬で治療を行います(服薬により、骨折リスクを減らせる可能性があります)。
発症後の治療も重要ですが、いちばん良いのは骨粗しょう症にならないように予防することです。「栄養」と「運動」が骨粗しょう症の予防につながります。
≪栄養≫
・カルシウム(毎日牛乳を200ml摂取する:難しい場合は小魚、大豆製品などで代用可)
・ビタミンD(卵黄や魚、きのこ類など 日光浴でも体内でビタミンDが生成されます)
≪運動≫
・ウォーキング(週3回:1回につき30分)
・階段昇降
・ジャンプ
栄養バランスの良い食事と定期的な運動で骨粗しょう症を予防し、健康寿命を延ばしましょう。