肩こり、四十肩・五十肩、腰痛、坐骨神経痛…
なかなか治らない、身体の痛み。慢性的な症状により、生活に支障をきたすことも多いです。
当院では、上記のような身体の痛みでお悩みの方に「ハイドロリリース注射」を行っています。
目次
■ハイドロリリース注射とは?
◎注射によって「筋肉の膜」の癒着をはがし、伸ばしてあげる治療法です
ハイドロリリース注射とは、筋肉を包む膜である「筋膜(きんまく)」の癒着をはがし、筋膜を伸ばすことで痛みの改善を図る治療法です。
ハイドロリリース注射では薄い局所麻酔薬を含んだ生理食塩水を患部に注入し、水分によって筋膜をはがすことで痛みの改善を図ります。
■ハイドロリリース注射のメカニズム
◎筋膜の癒着やコリが痛みの原因に
肩こり、腰痛などの身体の痛みはさまざまな原因によってひきおこされます。
最近の研究では、身体の痛みの多くは筋肉を包む「筋膜」の癒着・コリが原因であることが明らかになってきました(※)。
(※)関節内の滑膜など、組織の炎症による痛みもあります。
{筋膜が癒着する・筋膜がこる理由}
運動不足で筋肉をあまり動かさなかったり、逆にスポーツや労働で筋肉を使い過ぎるとストレスや水分の枯渇によって筋膜同士が癒着し、筋膜のしなやかさが低下していきます(筋膜のコリの発生)。
筋膜が癒着し、しなやかさが低下すると筋肉の可動域が制限されるため、筋肉が硬くなって刺激に敏感になります。刺激に敏感になった筋肉はちょっとした動きにも反応してしまい、痛みを感じやすくなります。
この、筋膜の癒着やしなやかさの低下によってひきおこされる痛みを「筋膜性疼痛症候群(MPS)」と呼びます。
ハイドロリリース注射では薄い局所麻酔薬を含む生理食塩水を患部に注入することで癒着した筋膜をはがし、MPSの痛みの改善を図ります。
◎神経性の痛みや組織の炎症にも適応できます
ハイドロリリース注射は筋膜が原因の痛みのほか、神経性の痛みや組織の炎症による痛みにも適応できます。
神経、靭帯、腱、関節包などに痛みが起きている場合は組織が癒着し、しなやかさが低下していることが多いです。これらの組織に癒着が起きると神経の伝達が邪魔されたり血行障害が起き、痛みを感じやすくなります。
ハイドロリリース注射は癒着によってしなやかさが低下した神経、靭帯、腱、関節包の周囲に水分を注入することで、神経性の痛みや組織の炎症による痛みの改善を図ります。
■ハイドロリリース注射の安全性・正確性について
◎エコーを用い、痛みの部位に的確に水分を注入します
当院のハイドロリリース注射ではエコー(超音波検査機器)を用い、痛みの部位に的確に水分を注入します。
エコーを用いることで筋膜や神経、靭帯、腱、関節包などの組織の位置を正確に把握でき、治療の安全性を高められます。
■ハイドロリリース注射 Q&A
Q.どんな痛みに効くのですか?
A.筋膜や神経の癒着・コリ、組織の炎症による痛みの改善を期待できます。
[ハイドロリリース注射がおすすめの方]
・肩こりや首こり、腰痛など、筋肉・骨格が原因の慢性的な痛みがある方
・肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、腱鞘炎などの慢性的な痛みがある方
・靭帯炎や筋膜炎などのスポーツ障害がある方
・手足のしびれ、坐骨神経痛などの末梢神経障害がある方
ハイドロリリース注射で痛みを改善できない、または、ハイドロリリース注射の適応でない疾患には病態によって以下の治療法を行います。
[ハイドロリリース注射以外の治療法]
関節内注射、神経根ブロック注射、硬膜外ブロック注射、プロロセラピー、など
当院で行っている治療法はこちらをご参照ください。
Q.注射は痛いですか?
A.注射時に多少の痛みを感じることがあります。
当院では極細の注射針を用い、刺入時の痛みをやわらげるようにしています。また、一定の速度でゆっくりと水分を注入することで患部への圧迫感を減らしています。
Q.保険適用ですか?
A.初回、および、間隔を空けた治療に保険が適用されます。
ハイドロリリース注射は初回、および、間隔を空けた治療に保険が適用されます(※)。2回目以降に連続して注射する場合は自費となります。
保険では薄い局所麻酔薬を含んだ生理食塩水を用います。自費では生理食塩水のみの注射が可能です。
(※)保険適用の間隔は患者様や症状によって異なります。
詳しくは医師までおたずねください。
【患者様の痛み・疾患に合った治療法をご提案させていただきます】
ハイドロリリース注射は筋膜や神経の癒着・コリによる痛み、および、組織の炎症による痛みの改善を期待できます。ただし、症状によってはハイドロリリース注射のみでは痛みが再発することもあります。
痛みの再発を防ぐには、ハイドロリリース注射以外にリハビリや運動療法、物理療法も併せて行うことが大切です。
瀬戸整形外科クリニックでは理学療法士によるリハビリをはじめとして、運動療法、マイクロ波・低周波・牽引器などの機器を用いた物理療法を行っています。
ハイドロリリース注射に加え、リハビリや運動療法で筋肉や関節の可動域を広げ、柔軟性を高めることで痛みの再発を防ぎやすくなります。また、物理療法を組み合わせることで治療効果の増強を期待できます。
肩こりや腰痛、神経・靭帯・腱・関節の慢性的疾患など、なかなか治らない身体の痛みでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。診察では医師が患者様の状態を確認し、痛みや疾患に合った治療法をご提案させていただきます。