交通事故後、腰の痛みが続いている… 「腰椎捻挫」の種類・原因・症状について|瀬戸整形外科クリニック|山陽小野田市の整形外科

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交通事故後、腰の痛みが続いている… 「腰椎捻挫」の種類・原因・症状について


歩行者に加え、車、バイク、自転車などが関係する、交通事故。


「交通事故」と聞くと、手術が必要な命に関わる状態をイメージする方も多いのではないでしょうか?


交通事故に遭った場合、即座の手術が必要なケースももちろんあります。即座の手術が必要なケースがある一方、交通事故で負うケガの中には、今すぐには命に関わることは少ない「腰椎捻挫(ようついねんざ)」のような腰の痛みも。


■腰椎捻挫とは


◎腰骨の周辺の筋肉や靭帯、関節がダメージを受けた状態

腰椎捻挫とは、腰骨である腰椎の周辺の筋肉や靭帯、関節が炎症を起こすなど、腰椎周りにダメージを受けた状態を指します。


腰椎捻挫は複合的な要素(次の項でご説明します)によりひき起こされるものもあり、はっきりとした原因を特定できない「非特異性腰痛」であるケースが少なくありません。腰椎捻挫を含め、腰痛の8~9割は非特異性腰痛と見られています。


{腰椎がずれた場合は腰椎捻挫とは呼びません}


腰椎捻挫、と聞くと腰骨(腰椎)のずれをイメージする方が少なくないのですが、腰椎そのものがずれた場合は腰椎捻挫とは呼びません。


腰椎がずれる、椎間板が飛び出す、または、腰椎が折れたなどの重度のケガの場合は、状態に応じて、椎間板ヘルニア、腰椎骨折などの具体的な病名がつきます(=特異性腰痛)。


■腰椎捻挫の種類・原因・症状(痛み方)


炎症が起きたりダメージを受けた箇所により、腰椎捻挫は以下の4つに大きく分類されます。4つと多いですが、交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けて腰が痛む方、普段の生活の中で腰が痛む方はご自身の症状に当てはまるものがないか、ご一緒に確認していきましょう。


1.筋肉・靭帯性の腰椎捻挫

腰椎周りの筋肉や筋膜、靭帯が損傷した状態の腰椎捻挫です。


筋肉・靭帯性の腰椎捻挫でお悩みの方は多く、一般的には、筋肉・靭帯性の腰椎捻挫は「ぎっくり腰」と呼ぶことも(※)。


(※)筋肉・靭帯性以外の腰椎捻挫を

ぎっくり腰と呼ぶこともあります。


{筋肉・靭帯性の腰椎捻挫の主な原因}


  • 交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けた
  • 腰をひねった、無理な体勢をとったなどの急な動作(or左記のような動作のくり返し(蓄積))
  • 疲労
  • 運動不足による腰周りの筋力・柔軟性の低下

{筋肉・靭帯性の腰椎捻挫の主な症状(痛み方)}


  • 腰が抜けるような、不安定な感覚がある
  • 腰が痛み、まっすぐ立っていられない
  • 腰が痛み、しっかり歩きにくい
  • 立つ・しゃがむ・寝返りを打つときに腰に鋭い痛みを感じる
  • 安静時にも腰が痛むことがある(横向きで寝ると腰の痛みが少し楽になる)

2.椎間板性の腰椎捻挫

腰椎のあいだにあるクッション材の「椎間板」が変性・損傷した状態の腰椎捻挫です。


{椎間板性の腰椎捻挫の主な原因}


  • 交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けた
  • 加齢による椎間板(繊維輪)の変性・損傷
  • スポーツによる椎間板(繊維輪)の変性・損傷

{椎間板性の腰椎捻挫の主な症状(痛み方)}


  • 腰を曲げた(腰を丸めた・かがんだ)ときに腰が痛む
  • 座るときに腰が痛む
  • 腰骨の真ん中の背中側のあたりがズーンと重く痛む

3.椎間関節性の腰椎捻挫

腰椎(背骨の一部)を構成する椎骨をつないでいる「椎間関節(ついかんかんせつ)」に炎症が起きた状態の腰椎捻挫です。


{椎間関節性の腰椎捻挫の主な原因}


  • 交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けた
  • 腰をひねった、無理な体勢を取ったなどの急な動作(or左記のような動作のくり返し(蓄積))
  • 加齢による椎間関節の変性・損傷
  • スポーツによる椎間関節の変性・損傷

{椎間関節性の腰椎捻挫の主な症状(痛み方)}


  • 左右どちらかのみ、腰が痛む
  • 腰をひねったり腰を反らすと腰が痛む
  • お尻や太ももの裏側が痛むことがある(痛みが長引いている場合)
  • 安静時には腰の痛みを感じることはあまりない

4.仙腸関節性の腰椎捻挫

お尻の上部の左右にある「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」に炎症が起きた状態の腰椎捻挫です。


{仙腸関節性の腰椎捻挫の主な原因}


  • 交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けた
  • 腰をひねった、無理な体勢を取ったなどの急な動作(or左記のような動作のくり返し(蓄積))
  • 加齢や運動・筋力不足による骨盤の位置のゆがみ(仙腸関節のねじれをひき起こしやすい)

{仙腸関節性の腰椎捻挫の主な症状(痛み方)}


  • 左右どちらかのみ(特に尾てい骨の上部あたり)、腰が痛む
  • 股間(股の付け根あたり)や太ももの裏側、膝から下が痛むことがある(痛みが長引いている場合)

【次回のブログでは、腰椎捻挫の治療・リハビリの内容をご紹介します】


腰椎捻挫に対しては、腰の状態や上記のような種類に応じ、整形外科で適切な治療・リハビリを行うことが重要です。次回のブログでは、腰椎捻挫の治療・リハビリの内容をご紹介します。

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